2015-08-31 02:29
歌姫としてのミクの葛藤と成長を描いたMMDドラマ「私が愛した小さな歌姫」
「…なんだ、こいつ?」
「ああ知ってる、ボカロって奴」
「人間様に代わって歌を歌うんだとよっ!」
「ヒトモドキの分際で、クソウゼェ…」
「音楽を侮辱してんじゃねーよ…」
幼い頃のミクが迷い込んだのは、暗闇の中で悪意がたむろする世界。 ボーカロイドを忌み嫌う悪意たちからいわれのない攻撃を受けるミクだったが、 そこで彼女はもう一人の自分と出会う。 自分よりも少し背が高い彼女に助けられたミクは彼女をお姉ちゃんと呼び慕い、 最初は嫌がっていた彼女もミクの純粋な歌を愛する心に胸を打たれ、 いつしか2人は本当の姉妹のような関係となってゆく。 しかし、幸せな日々は決して長くは続かなかった……。
歌姫としてのミクの葛藤と成長を独自の設定を通して描いた本作は、 これまで初音ミクの日常系MMDドラマ「とある~」シリーズを投稿してきたunauna氏が、 自身のMMD制作2周年を記念して公開したシリーズ第0話。
普段から同氏のドラマに「お姉ちゃん」として登場していた雑音ミク。 彼女はどのようにミクと出会ったのか。そしていかにして「雑音」ミクとなってしまったのか。 その謎が本作で初めて明かされる。
前半のミク達のやり取りにはなんだか和んでしまい、 後半の展開にはつい涙腺が緩んでしまう。
本作は少し前に投稿された作品だが、 ミクが8回目の誕生日を迎えた今、改めてみんなに見て欲しい作品だ。 ボカロキャラが登場するMMD動画は数多くあるが、 歌姫としてミクを描いた作品は今ではあまり見かけなくなってしまったようにも感じる。
派手なアクションもなければ、目を見張る演出もない。 決して誰にでも薦められる作品ではないが、ミクファン、 それも歌姫としてのミクに魅入られている人なら間違いなく心に響くものがあるはずだ。
なお、本作はunauna氏が普段投稿しているMMDドラマ「とある~」シリーズにつながるストーリーとなっているが、 時系列的には本作が一番最初なので過去作品を見ていなくとも問題なく楽しめるだろう。
約26分もあるかなり長いドラマなので「時間がない…」という人はまず、 unauna氏が最初に投稿したMMDドラマ「【第11回MMD杯本選】とある夏の一日」を見て頂いて、 気に入ったらぜひ本作を視聴してみて欲しい。