2015-08-26 19:22
夏が終わる頃に聴きたい、心に響くボーカロイド夏曲10選
夏祭り、花火大会、海水浴。風鈴の音色に、セミの鳴き声……。 暑かった日を思い出し、切ない想いに胸を打たれ、優しい気持ちに心を癒される。 夏の終わりの歌はどうしてこうも僕達の心に響くんだろう?
楽しいイベントも終わってしまって、なんだか少し寂しい気分になってしまうこの時期。 あれだけ暑かった太陽も、今となっては少し恋しい。
季節は移りゆくもの――。
切ない気持ちが詰まった夏の終わりのボーカロイド曲を聴いて、 この夏は終わりにしてしまおう!
なお、今回も基本的にはニコニコ動画から紹介していくけど、Youtubeでも楽曲が視聴できる場合はそれもあわせてご紹介。 スマホで見ている人はYoutubeの動画をタップすればこのページ内で動画が再生可能だ。
【初音ミク】 アサガオの散る頃に 【オリジナル曲】
「海を抱く夏鳥が再び南へ
飛び去るのを見てることしか出来ない」
沖縄の田舎の風景を思わせるような三味線の音色に癒され、どこか儚げで切ないミクの歌声に心を締めつけられる。 夏の終わりの夕暮れ時に聴きたい初音ミクオリジナル曲。
後半で夕焼け色の空が少しだけ夏空に変わる演出が気持ち良い。 楽曲は ぷす さん、イラストは No.734 さんが制作。動画は「背景、夏に溺れる」の ナブナ さんが担当したようだ。
投稿された当初は「夏に聴きたかったなぁ」という声もあげられていたが、 夏が終わろうとしている今だからこそ、もう一度聴き直しておきたい。
【初音ミク】 Fireworks 【オリジナル】
「夏? ああ、ずっと部屋でゲームしてたわ」というインナー派の人にも聴いて欲しいのがこの曲。
疾走感あふれるサウンドの中に、夏の終わりの焦燥感と切なさを感じる本作は、 「腐れ外道とチョコレゐト」「ありふれたせかいせいふく」でお馴染みピノキオPがニコニコ動画投稿初期に手がけた作品の1つ。 賑やかで楽しい楽曲が多いピノキオPの作品のなかでは珍しく、どこか情緒を感じさせる楽曲だ。
投稿当初より「なぜ伸びないのか本気で意味わからん」「本当の神曲は伸びないんだよ」などと言われてきたが、 晩夏の香りが漂い始めた今月20日(2015年8月20日)、ついに殿堂入り(10万再生)を達成。 大人になってから聴くとその良さがわかる作品かもしれない。
【初音ミク】予言'99【オリジナル曲】
「巨大隕石の衝突とか 恐怖の大王の襲来とか
行き詰まったゲーム リセットするような
破滅を待っていた」
こちらもどちらかというと大人向けな初音ミクオリジナル曲。制作は青屋夏生さん。
90年代に少年期を過ごした人なら、きっと誰もが一度は信じたであろう「ノストラダムスの大予言」。 世界が破滅するというのに、なぜかワクワクしてしまっていたあの頃。 当時の懐かしい気持ちをポップなメロディーに乗せて歌った本作は、 大人になってしまった僕達が忘れかけていたものを思い出させてくれる。 ただ繰り返すだけの毎日に疲れたら、この曲を聴いてみて欲しい。
【GUMI】汗ばむ肌をかくして【オリジナルMV】
「日が沈み、虫の羽音が微かに聞こえてきます。 もし勇気があったらそこにあったかもしれない夏の思い出。 保証はないのに、それを理由に塞いでいる間に、夏が思い出せなくなってきます。」投稿者コメントより
以下蛇足。
夏の夜。少女が見つめるスマートフォンの画面はtwitterのタイムライン。 追いかけているのは意中の彼の言葉だろうか。 繊細なピアノの音色と綺麗なMVに魅せられ、一瞬で作中の世界に惹きこまれる。
真夜中に忍び込んだプールサイドでふと振り返る 「もしあの時に 言葉を止めず 君が隣 笑っていたなら」 想いを伝えられなかった少女の心は暗い。
切ない気持ちにしんみりしてしまうのも束の間、 サビの疾走感に思わず胸が高鳴る。 駆け抜けるような歌声と共に描かれるのは、もし勇気があったらそこにあったかもしれない夏の思い出。 間奏のワブルベースは行き場のない感情だろうか。
サビが終わると舞台は再び現実へ。
かすかな期待を込めたつぶやきも、言葉の海にのみこまれて「鈴も鳴らず通り過ぎていく」。 まぶたの裏に描くのは、フェンスを登って笑いかけてくる彼の姿。 開いた瞳に映るのは、水面に浮かぶ月と、夜空に輝く星空。
「奇跡は今日も起こらない」
イントロでミンミンゼミ(真夏に鳴くセミ)だった蝉の鳴き声は、 アウトロではツクツクボウシ(晩夏~初秋に鳴くセミ)に……。
楽曲が aquabug さん、イラストは 街屋 さん、動画は MONO-Devoid さん、ギターは みゅー さんが担当。
サウンド、MV(PV)共に高いクオリティーで仕上げられた作品なので、夏が終わるこの時期にぜひ一度聴いてみて欲しい。
【IA】 遠雷が響く夏空に、君が教えてくれたこと 【n.k】
IAが歌う爽やかで綺麗な失恋ソング。 悲しい歌のはずなのに、まるで青空に浮かぶ雲のような爽やかさ。 透き通った綺麗な世界に自然と惹きこまれてしまう。
楽曲は n.k さん、イラスト&動画は ゆらな さんが担当。
クセのないIAの歌声は爽やかな曲調にぴったり。 少し名残惜しさを感じてしまうほど、あっという間に聴き終えてしまう。 つい何度も聴きたくなってしまう楽曲だ。
【初音ミク】碧空【オリジナル曲】
さて、ここから先はピアノの音色が綺麗な、しんみり心に染みる楽曲を紹介していこう。
まずは優しげなミクの歌声と、どこか懐かしさを感じる田舎の風景に癒される初音ミクオリジナル曲。 ほんのり切ない雰囲気はこの時期にぴったり。 ピアノの音も綺麗だけど、高音域のフルートに似たシンセ音も気持ち良い。
楽曲は しめへび さん、イラスト&動画は 古都睦 さんが制作。
夏空が夕焼け色に染まり星空に変わっていくMVにも、つい見入ってしまう。
【初音ミク】わすれもの【オリジナル】
遠い日の夏の想い出を歌った、心安らぐボカロバラード。
落ち着いたミクの低い歌声とピアノの伴奏に聴き入っていると、 後半には思いがけない盛り上がりもみせてくれる。 サビに入るシーケンス・フレーズ(シンセのピコピコ音)に感じるのは、透明感にあふれたキラキラした夏の日。 遠く過ぎ去った記憶が、目の前で色鮮やかに広がっていくかのようだ。
制作者の束子Pは2009年8月に本作を投稿して以降ニコニコ動画には姿を見せていないが、 今でも元気にしているのだろうか?
6年経った今でも間違いなく良い曲だと言い切れる、 聴けば聴くほど好きになってしまう楽曲。
【初音ミク】線香花火【オリジナルPV】
夏の夜の線香花火のように、儚く消えてしまった恋。 もう戻れない、けれど確かにそこにあった物語をミクが切なく歌ってくれる。
こちらは人によって少し好き嫌いが分かれるかもしれないけど、 バラード好きなら聴いておきたい初音ミクオリジナル曲。
抑えきれない感情を吐き出すようなミクの歌声に、切ない気持ちが痛いほど伝わってくる。 どうやら口南Pのミクにはココロがインストールされているようだ(魂実装済み)。 後半のサビでは思わず涙腺が緩んでしまうかもしれない。
【初音みくのオリジナル曲】 墓参り
亡くなったご先祖様を想う初音みくオリジナル曲。
綺麗なピアノの音色と素朴なミクの歌声に癒され、 そしてなんと言ってもその優しさに満ちあふれた歌詞に胸を打たれる。 これほどまでに人の心を動かす詩はそうそう見つけることはできない。 「歌詞見ただけで泣いた」というコメントにも思わずうなずいてしまう。
こんな駄目な大人になってしまってゴメンよ、ご先祖様……。
こちらは2008年に たまぁ~ずP によって投稿された作品だが、今でも時々ふと聴きたくなってしまう楽曲だ。 ボーカロイド初期の名曲と言える作品かもしれない。本当に良い曲は何年経っても色褪せない。
【初音ミク】アライン【オリジナル曲】
さて、最後に紹介するのは、せっかくの切ない気分を台無しにしてくれるこの曲。
「夏を終わらせに来ました」という、すしPによるハイテンション・ロックナンバー。
こちらは先日投稿されたばかりの新作(2015年8月投稿)だが、既にすしPの過去作品の中では最大のヒット作となることは確定。 マイリス数的には殿堂入りも射程圏内だ。
暑かった日々と切ない想い出。消えない心残りに覚めない余韻。僕等が夏の終わりに感じるそんな気持ちを全部、最高の疾走感で吹き飛ばしてくれる。
「バイバイ僕らの夏」